サクラ大戦4〜恋せよ乙女〜 キャラクター考察

 

これだけの人数が登場するせいか,各キャラのストーリーは少々短く薄めである。本シリーズのウリともいえる,"ムダな"内面描写のない効率的な人物造形は本作でも遺憾なく発揮されているし,前作までに語られてきたキャラ個別の設定についてはまとめて説明を省略することで,ストーリーテリングに集中しているようだ。

 そのストーリーを手がけるのは,"30分で30分アニメのシナリオ1本を仕上げた"など数々の逸話で知られるベテランシナリオライターあかほりさとる氏。"萌えアニメ"の先駆者と目される氏は,いつものようにいつものごとく,"お約束を誤たず踏む"ことでファンのニーズに応えている。
 戦闘中にピンチに陥り,応援が駆けつけるシーンなどでは「まあそうだよね。」と笑みが漏れることだろう。とにかく"勢い"で突っ走るのが氏の,そして本作の芸風だ。正義はいつだって,少しばかり口が達者で思い込みの激しい保守系庶民のものである。