いつか、届く、あの空に レビュー

きしめんで一気に有名になった2005年11月25日に発売されたデビュー作『Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-』に続くLump of Sugarブランドの第2作『いつか、届く、あの空に』感想及びレビューです

原画・キャラクターデザインを前作同様萌木原ふみたけが、シナリオを朱門優が担当する。

夜になると空が雲に覆われるため、星空を見ることのできない不思議な街「空明市」を舞台としたビジュアルノベルゲームで登場するヒロイン数は6人(メインヒロインとサブヒロインがそれぞれ3人ずつ)。ストーリーは萌え中心の第1部とシリアス中心の第2部より構成される。

あらすじ
古くから良家として栄えてきた「巽」の家の生まれである少年「策」。ある日彼は厳格な祖父から、自分の好きなように生きてゆけと告げられる。それは自分が巽家の者として認められていないことを意味していた。その後策は巽家の中から誰か一人が、祖先の住んでいた屋敷のあるという街「空明市」に行かなければならないことを知る。

自分よりも才能に恵まれた父や兄に引け目を感じていた策は、実家から逃げる一心でろくに事情も確かめぬままその話に乗った。空明市にやってきた策が出会ったのは、自らの結婚相手だと名乗る「弐壱学園天文委員会」の少女「唯井ふたみ」。彼女との出会いが策の未来を思わぬ方向へ導いてゆくこととなる。


これは最初のOP1で騙された人間がいるとするならば、著者もその一人に入ることになるであろう。あらすじやキャラクター紹介を読む限りでは全うな学園生活で普通の恋愛ものなのかなと


誰だって誤解しますって!!


↑の動画を見る限りでは普通の学園を生活をのんびりと惰性でクリックして進めていたのですが・・第一部の終了辺りでとんでもない事態になるとは一体誰が予想していたことやら・・。

第一部の終了後に流れるOP2の繋ぎの場面が最高に盛り上がりと一気にこれまでの世界観が崩れ去り、第一部に張られていた伏線の消化が更に盛り上がることとなります。



キャラ個別シナリオ感想


唯井 ふたみ
モロに北欧神話や十二支・八卦等・神道などの設定を巧みに上手く使っているおかげで第2部は第1部の穏やかな雰囲気は完全に消え去り、何故か戦闘をやっていたりもします。何の戦闘訓練も積んでいない主人公が戦闘に特化した『解対』の持ち主だったために、おいおいこれはありえないぐらいにメチャクチャ強くなってます。てか、菊乃丸を倒すなんてちょっとやりすぎww 主人公が武道の心得がある設定があればいいが、芸術一家の家系って設定なのに武人を打ち倒してしまうのは・・。

努力する天才が超えられない壁を越えてしまう。そこから始められる人間は普通の人間が何年も必死に努力して積み重ねた成果を、始めてすぐにつかんでしまうというのが言い分だが納得いかねぇwww


餌の呪いを受けてゾンビ化した主人公が雲戌亥の屋敷に乗り込み、その後の静含めての雲戌亥の家の者が裁きの炎で焼かれる場面はとても印象に残る。雲戌亥の家の者が喪服を着ていた理由が明らかになるんだよね。


ふたみルートEND後
後味悪い事に

此芽は策に供給し続けた命が尽きて死亡は確定
策がふたみを選んだので、何もせず傍観

というような裏設定が二人のシナリオをプレイすれば推測は立てられます。


桜守姫 此芽
Lump of Sugarのいつか、届く、あの空にの人気ランキングで一位

姫様は本当は強かった…
本当のお姫様であり、策との過去の出来事を見てしまうとこのシナリオをプレイしてしまうとその健気さに泣いてしまうぐらいに投票の一つや二つぐらい入れてしまいそうになります。

餌の呪いを受けていて、数年後には必ず死ぬことが確定されているのに
更に「“死”に至る結果だけを早める魔具」の攻撃を受けために瀕死状態に。此芽の「結婚式」が発動して、策は生き長らえる。結婚式という名の命を繋げる魔術だったために此芽は桜守姫家の者を一夜に皆殺しに出来る魔術は使えることができずに周囲に出涸らしと呼ばれ、妹に好き放題にアイスクリームを買ってきてパシリ扱いされたりするわけです。

それでも魔術を解かなかった此芽は本当に強かった。
数年ぶりに再会した策は自分の事を覚えているはずもなく、名前を呼びたくても呼べない。更に策が此芽を思い出して『結婚式』の魔術が解けてしまうのを防ぐためにワザと嫌われようとする健気さ。『結婚式』の魔術の儀式の時に妻である此芽に婚約指輪の代わりに、自らの強い思いの込められた記憶を差し出しているので、策の記憶の中は都合よく過去に結びつける同年代の女の子と遊んだと記憶を改竄されているんです。

ゆえに、ふたみが策のことを全然覚えていない理由はそこにあったりする。

それで嫌われるようとする姿がとても健気過ぎて涙が出てしまうなw 死期際まで策に

「だいきらい・・で・・す・・」
と呟くお姫様・・。



と切ない恋物語話と思いきや、策の起点により逆式魔槍であっさりと復活し、何の伏線もなしに現れた妹に才能の差を見せ付けて、桜守姫の御前を文字通りに子供扱いしてあっさりと葬り去った・・。OP2の曲が流れている時は鳥肌が立ってしまうが、敵キャラがこうも簡単に片付く展開はちょっとな・・。世の中、才能だけある人間が努力して築いてきた者よりも上っていうのがこの作品に関わらずに多いと思いますが・・。

その部分を除いては今作品のシナリオは個人的には好きです。


明日宿 傘


雲戌亥を名乗る皆さん、お願いがあります
死んでいただけないでしょうか? 
・・・えーと、自殺して欲しかったんですけど、ダメですか?  
じゃあ明日宿の方々、皆殺しにして下さい。虐殺です♪

んな内容なシナリオでしたw
雲戌亥の当主の静は本当にあっさりと殺され、雲戌亥の人間が束になっても傘姉のクビは取れずに虐殺されてゆく。菊乃丸がトチ狂って戦車を持ち出して砲弾を発射しても無傷・・。『病める舌の願い』の元にふたみを殺害・・・? その辺のことは不明。曖昧になっている。

切腹しようとする傘姉を策が襲って傘姉を死ぬことから遠ざけた。

エピローグ・・。

以上。

ふたみと此芽のシナリオと比べると少し見劣りしますが・・これはこれでいいENDなわけないな・・。後味が悪すぎですよ。



まとめ
第一部のOPで騙されて、第二部で驚かされた人は私以外にいるはずですwwww

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